東京都の太陽光パネル設置義務化に反すると罰則はある?反対の声も解説

令和7年(2025年)4月より、東京都で太陽光パネルの設置義務化が始まります。

「なんで太陽光発電の設置が義務化されたの?」

「なんで太陽光発電の設置が義務化されることでどのようなメリットがあるの?」

このような疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、東京都の太陽光パネル設置義務化の内容や理由、設置しない場合に罰則はあるのかなどを解説します。

太陽光パネルの設置義務化について詳しく知りたい方には役立つ記事となっているので、ぜひ最後までご覧ください。

東京都の太陽光パネル設置義務化とは?

東京都の太陽光パネルの設置義務化とはどのような内容なのか見ていきましょう。

マンションも対象になる?

令和7年から始まる東京都の太陽光パネルの設置義務化の制度の対象は、東京都内の年間供給延床面積が合計20,000㎡以上のハウスメーカーなどの事業者です。

そのため、対象の事業者で戸建て・マンションなどの新築を建てる場合、太陽光パネルの設置義務が課せられます。

義務化はいつから?

令和4年の第3回都議会定例会議に基本方針が報告され、その後、令和4年12月の第4回都議会定例会議で条例改正案が提出され、可決となりました。

現在は施行の準備期間中であり、令和7年4月の開始に向けて準備が進められています。

条例ではどのように改正される?

太陽光パネルの設置に向けて、令和4年6月に国は建築物省エネ法の改正を行いました。

建築物省エネ法では、「建築主は、その建築(新築、増築及び改築)をしようとする建築物において、建築物のエネルギー消費性能の一層の向上を図るよう努めなければならないこと」と定められています。

そして、建築主の性能向上努力義務の範囲が今回の改正で以下のとおり変更されました。

【建築主の性能向上努力義務の範囲】

  現行 改正
  非住宅 住宅 非住宅 住宅
大規模 適合義務(2017.4~) 届出義務 適合義務(2017.4~) 適合義務
中規模 適合義務(2017.4~) 届出義務 適合義務(2017.4~) 適合義務
小規模(300㎡未満) 説明義務 説明義務 適合義務 適合義務

参考:国土交通省 建築物省エネ法について

対応しないと罰則はある?

東京都の太陽光パネルの設置義務化はすでに決定していますが、対応しなくても罰則はありません。

ただし、太陽光パネルの設置目標に対する取り組みが不十分であると判断された場合、都は助言や指導をおこなったうえで、事業者名の公表を検討するとしています。

参考:東京都 2025年4月から太陽光発電設置義務化に関する新たな制度が始まります
参考:環境省 【新築・中小規模制度】太陽光パネル設置に関するQ&A 令和5(2023)年9月22日

【なぜ必要?】東京都で太陽光パネルの設置が義務化される理由

では、なぜ東京都の太陽光パネルの設置義務化という制度が進められているのでしょうか。

近年では、気候変動による災害の増加、平均気温の上昇などが問題となっており、社会全体で脱炭素化の動きが強まっています。

そして、東京都では2050年ゼロエミッションと2030年のカーボンハーフの実現を目指しています。

そのため、東京都では目標達成において新築建物への対策を重要視しており、太陽光パネルの設置義務化を進めているのです。

東京都の太陽光パネル設置義務化のメリット・デメリット

東京都は新築戸数が多く、太陽光パネルの設置が進めば効果的な環境対策になります。

社会全体が脱炭素化に向けて動き出していることもあり、東京都で太陽光パネルの設置が進めば、日本全体で意識が高まるなどのプラスの影響が見込めます。

ただ、東京都の太陽光パネル設置義務化はメリットだけでなく、デメリットがあるという声もあるため、どのような意見・考え方があるのかを見ていきましょう。

東京都の太陽光パネル設置義務化に反対する声は多い?デメリットを解説

まずは、東京都の太陽光パネル設置義務化に反対する声やどのようなデメリットが上げられているのか解説します。

ウイグル人の強制労働問題につながる

太陽光パネルの生産にはシリコンが必須であり、そのシリコンの多くはウイグルで採掘・製造されています。

しかし、ウイグル自治区でのシリコン採掘では強制労働が行われている疑いがあります。

東京都の太陽光パネル設置義務化が進めば、太陽光パネルの需要拡大に伴い、ウイグル人の強制労働に加担するのではないかと懸念されています。

しかし、東京都では業界団体と連携し、あくまでもSDGsを尊重した事業活動を推進していくとしています。

中国経済は潤うが日本経済は潤わない

日本には中国で製造された太陽光パネルも多く、太陽光パネルの設置義務化は中国経済だけが潤うのではないかという声もあります。

しかし、環境省ではあくまでSDGsを尊重した事業活動を推進していくと述べています。

参考:【新築・中小規模制度】太陽光パネル設置に関するQ&A 令和5(2023)年9月22日
参考:キャノングローバル戦略研究室 学者も市民団体もみんな大反対 東京都「太陽光パネル義務化」がヤバいこれだけの理由

再エネ賦課金が値上がりしてしまう可能性がある

再エネ賦課金とは、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの買取に必要な費用をまかなうための賦課金(費用)です。

再生可能エネルギーで発電した電力は、原子力発電や火力発電などに比べると割高です。

しかし、国は再生可能エネルギーの普及を進めたいと考えているため、再生可能エネルギーで発電した電力を一定の価格で買い取っています。

太陽光パネルの設置義務化により再生可能エネルギーの買取が拡大すれば、結果的に再エネ賦課金が値上がりするのではないかと懸念されています。

導入時の初期費用の負担が大きい

東京都によると、4kWの太陽光パネルを設置するのに初期費用が約98万円かかるとされており、導入コストが高い点もデメリットの一つです。

東京都から補助金がありますが、補助金は国民一人ひとりの税金でまかなわれているため、将来的に税金が高くなり負担が増えると予想されています。

ただし、自己所有ではなく「PPA」であれば、初期費用を無料で太陽光発電設備を導入できます。

PPAでは、初期費用・管理にかかるコストをすべて事業者が負担し、需要家が使用した分の電気代をPPA事業者に支払います。

「太陽光パネル=導入コストが高い」というイメージを持たれがちですが、設置方法はいくつか選択肢があるため、各家庭に合った方法を選ぶことが大切です。

水害時に感電の危険性がある

太陽光パネルは水に弱く、接近・接触すると感電する恐れがあるとしており、災害時に大きな事故に発展する可能性がゼロではないことも懸念点として指摘されています。

そのため、浸水に備えて事前に高い位置に設置したり、浸水してしまった際は近づかないよう注意喚起を促したりする必要があります。

参考:経済産業省 浸水した太陽電池発電設備による感電事故防止について(注意喚起)

義務化で経済的効果が大きい?メリットを解説

太陽光パネルの設置義務化で得られるメリットを見ていきましょう。

30年間で最大140万円の電気代を抑えられる可能性がある

太陽光パネルを設置することで、電気代を最大140万円程度抑えられることがメリットといえるでしょう。

現行の東京都の補助金制度を利用した場合、4kWの太陽光パネルを導入するのに75万円、パワコンの交換に27万円かかるため、合計の支出は102万円と予想されます。

一方、収入面では1〜10年目は自家消費54万円と売電収入38万円が見込まれ、11〜30年では自家消費109万円と売電収入41万円が期待できます。

収入面を合計すると約242万円となり、30年間で想定される支出の102万円を差し引くと140万円となり、約140万円の経済的メリットが期待できるのです。

参考:環境省 【新築・中小規模制度】太陽光パネル設置に関するQ&A 令和5(2023)年9月22日

災害時のライフラインになる

太陽光パネルを導入することで、災害時の重要なライフラインとして役立つこともメリットです。

地震や台風などで停電が発生しても、自立運転可能な太陽光パネルを設置することで、日中は電気の使用が可能となります。

また蓄電池を併用することで夜間の災害時にも電気を使用することが可能です。

ゼロエミッションやカーボンハーフの達成に近づく

1年間で約4kWの太陽光パネルを使用し発電した場合、CO2の削減量はスギ約200本分に相当します。

東京都全体で太陽光パネルの設置が進めば、CO2の削減量が増え、ゼロエミッションやカーボンハーフの達成に近づくこともメリットです。

補助金を活用できる

東京都では太陽光パネルの設置拡大に向けて、「東京ゼロエミ住宅導入促進事業」「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」などの補助金制度を拡充しています。

都が積極的に取り組んでいるからこそ、充実した補助金制度があり、導入費用を大きく抑えられるのはメリットといえるでしょう。

補助金に関して詳しく知りたい方は、下記記事もぜひ参考にしてみてください。

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0円で太陽光発電を設置する方法もある

太陽光パネルの設置に利用できる補助金があるとはいえ、自己負担が発生することが一般的です。

そこで、可能な限り自己負担を抑えて太陽光パネルを導入したいと考えている方は、「PPA」という所有方法がおすすめです。

PPAでは、 PPA事業者が一般家庭や企業の屋根などに、事業者の負担で太陽光発電システムを設置します。

そして、需要家(太陽光発電システムを設置してもらう側)は、自家消費した分だけをPPA事業者に電気代として支払う仕組みです。

PPAを活用すれば、電気代を安く購入できるだけでなく、0円で導入可能です。

さらに、管理・運用にかかるコストも事業者負担となるため、ランニングコストで費用負担が発生する心配もありません。

まとめ

今回は東京都の太陽光パネル設置義務化の内容やメリット・デメリットなどを解説しました。

2050年のカーボンニュートラル社会の実現に向けて、東京都では令和7年4月から太陽光パネル設置義務化がスタートします。

太陽光発電システムを導入することにより、電気代削減や脱炭素化社会の実現に貢献できるなどのメリットがあります。

なお、「シェアでんき」なら初期費用無料・月額費用無料で太陽光発電システムを導入できるプランを提案可能です。

契約期間中はメンテナンスや維持・管理にかかる費用を負担する必要がないので、ご契約の際に金銭的負担がかかる心配がありません。

太陽光発電システムの導入を検討している方は、ぜひ一度下記よりお気軽にご相談ください。

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